九州ゴルフ倶楽部 八幡コース

設計者の思い|九州リゾート株式会社

地中から現れた“神からの贈り物”が予期せぬ良いホールをつくる。  加藤俊輔

 コースを設計する場合、設計家は地形図を読み込み、現地を下見し、それからコースの本格的なレイアウトを考えていく。しかし事前調査で分かるのはコース上の地表面であり、地下までを完全に掌握することはできない。従って土工事の途中で予想さえしないものが地中から現れることがあり、その障害によって当初の設計を変更せざるを得ないことが少なくない。ケースとしては極めて少ないが、願ってもいなかった場所に岩石が突然現れて、それがビューアップのための効果的なアクセントとなる例もある。

 代表的な例が九州ゴルフ倶楽部八幡コース10番ホールと17番ホールの間に出た岩石である。10番ホールのセンターラインから左へ40メートルの位置、そして折り返してくる17番ホールの左ドッグレッグしたコーナー内側の位置に、まるで神が私の願いをかなえてくれたかのように地中から現れた。プレーヤーの打ったボールが、高い確率でぶつかるような岩石なら、私はためらいなく取り除いたと思う。しかし、攻撃的なプレーをするゴルファーには邪魔になる石だが、通常は邪魔にならない。しかも高さといい、幅といい、形といい、位置といいもし意図的に岩石をセットするならそういったセットの仕方をするはずだという形で現れたから、私は驚きと同時にそのまま取り除かずに出るに任せたのである。

 事情を知らない人は、もともと露出していた岩石を利用しながらホールをレイアウトしたと考えるだろう。しかし、私は最初に描いた図面に手を加えていない。図面に予定した高さまで切り下げていったら、たまたま絶好の位置に岩石が現れたに過ぎない。いまではこのホールは、ビューバランスの点でもメモリビリティの点でも、このコースを代表するホールになっている。

 このように、コースを設計していると、思いがけない贈り物が設計の手助けをしてくれて、たくまずして素晴らしいホールがつくれることがあり、設計者に喜びと感動を与えてくれることもあるわけである。

(参考文献;A Good Golf Course Merges Into The Nature SHUNSUKE KATOより)

コース設計者からのメッセージ

 1980年以降、日本のゴルフは急激に変化しつつあります。ただ平坦で、広く長いという条件が、コースの価値を決定づけていた時代は終わり、アンフラットなグランドが大半を占める、そういった状況下でゴルフゲームが持つ本来の楽しさを追求する傾向へと移行しています。

 八幡コースは、内容豊なゴルフを堪能して頂けるよう、18のホールがそれぞれ個性に富んだ「顔」を持つ、バランスの整ったコースとして設計されています。ゴルファーにとって各ホールごとに「一編の物語」が感じられる、味わい深いステージとして記憶の中に刻まれるコースとなるでしょう。

加藤 俊輔 プロフィール

昭和8年生まれ。昭和32年日大工学部卒業後熊谷組、太平洋クラブをへて、多くのゴルフコース設計をてがけている。
昭和61年独立、カトーインターナショナルデザイン(株)を設立。設計思想は「ビューとロマン」。
その視覚の美しさと戦略性とが見事に調和したコース創りは、当代随一といわれる設計家。
代表コースとして太平洋クラブ御殿場コース、瀬戸内海G.C、北海道G.C等がある。
(日本ゴルフ場設計者協会初代理事長)

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